空気ポケットフェンスを用いたマナマコ増養殖技術の研究・開発
近年、中国からの需要の高まりでマナマコの漁獲量が急増していることから、マナマコ資源の枯渇が懸念されています。そこで西村組では平成26年から東海大学と共同で「空気ポケットフェンス」を用いたマナマコ増養殖技術の研究・開発に取り組んでいます。
行動範囲を制御してマナマコの生態を把握
「空気ポケットフェンス」で周囲をかこむことで、海底をはって移動するマナマコの行動範囲の制御や害敵侵入の防止を実現。それにより、これまで把握しきれていなかったマナマコの生態が把握できるようになりました。また東海大学と共同でおこなった中間育成試験では、高い生残率と、無給餌でも天然海域と同程度に成長することが判明。それらのデータを活用することでより効率的なマナマコの増養殖を実現しました。
空間を生かした藻場造成施設(トリビット)の開発
海藻の生育に適した藻場を造成しています。海流の変化や藻食動物による食害など、さまざまな理由で海藻が生えなくなった「磯焼け地帯」にトリビットを設置。それによりもう一度海藻を生やすことができ、海産物の生育環境を整えることができるのです。また石をつみ上げる従来の工法と比べて砂浜にも設置できる点や、海底の形状を損なわない点など、さまざまな利点があります。
アサリの漁場の増設(サンドチューブ)工法の開発
本州や九州に比べて少ない北海道の広大な干潟を増やすためにはじまった研究開発です。不織布をゴムでライニングしたチューブに砂を充填した囲いをつくり、その内側にアサリの生息に適した高さまで砂を盛って干潟を造成します。設置に時間がかかる矢板や地盤の凹凸に合わせなければいけない異形ブロックで造成していた従来と比べて、工期の短縮とコストの削減を達成。その上で、良好なアサリの漁場を設置できるようになりました。
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